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あそびっとのオーディションに落ち、春が来て、僕は小学校3年生になった。あれから僕は番組を見ることができなくなった。番組を見れば僕の代わりに合格した新メンバーが出演しており、みんなに歓迎されている。オーディションに参加していなかったら僕だって新メンバーにどんな子がいるのか気になるし見ていたと思うけど、僕はこのオーディションに参加した上に落ちている。どんな子がいるのか全く気にならないと言えば嘘になるけどやっぱり見る気にはなれなかった。 そして幼い僕は宇都美先生に少しだけ怒っていた。というのも、見たくないとはいえやっぱりどんなメンバーが入ったのか気になって、いてもたってもいられなくなってましまい一度だけ新体制のあそびっとスクールを見たことがある。新体制のあそびっとの新メンバーは男の子1人に女の子2人だった。その中には大人しい子も元気な子もいた。宇都美先生はオーディション数ヶ月前の僕に、しょうくんの真似をしないように伝えた。しかし蓋を開けてみると、大人しい子はしょうくんよりももっともっと大人しい子だし、元気な子だってどう考えても僕の方が面白い。どうしてこんな子たちが合格して僕は落ちたのだと落ち込み、挙句の果てには宇都美先生の言うことなんか聞くんじゃなかった!と何度も思った。大人は「個性が大事だよ」なんて言うけど、それを信じて落ちちゃったから、やっぱり媚びたりキャラクターを作った方が勝ちじゃん、何が個性なんだよ、綺麗事ばかり言いやがって!更に新メンバーの面々はしょうくんに優しく話しかけられていて僕は嫉妬で気が狂いそうだった。…と、まあ、人生で初めての挫折と嫉妬を経験した僕だが、結局根本的なところはただただ「悔しい!」という気持ちでいっぱいだったのだ。そして大人になった今、当時を振り返ってみると実力は確かに彼らの方が上だったし、大人しいとか元気だとか面白いから合格!ではなく彼らの生まれ持った性格や個性、そして当時のあそびっとのメンバーや番組そのものとのバランスがぴったりだったのだ。それに、新メンバーには優しく接するのは当然である。しかし当時の僕は芸能界という場所がどういう所か、何も分かっていなかったのだ。